名詞
名詞の性
ヴェッセンズラン語の名詞には3つの性があり、男性・中性・女性に分けられる。いくつか例を挙げると、
- 男性名詞: fader(父), znake(ヘビ) etc.
- 中性名詞: uyland(島), mejden(少女) etc.
- 女性名詞: móder(母), bóck(本) etc.
の如くである。 fader, móder など、実際の性別に関係ある語もあるが、あくまで文法的な範疇であり、上に挙げた mejden などの例もあるので、実際の性別とは分けて考えた方が良い。
冠詞・形容詞などはこの名詞の性に応じて異なる形になるので、重要である。見分け方があればよいのだが、生憎うまい方法がないので個別に覚えていく他ない。
なお、複合語は最後の要素の性になるのが普通。
格・複数形
ヴェッセンズラン語の名詞は文中での機能を示すために語尾や母音を変化させることがある。これを格変化という。ヴェッセンズラン語には主格・属格・与格・対格の4種類の格がある。大まかな意味は以下のようになる。
- 主格: 主語を表す。日本語の「〜が, 〜は」に相当。
- 属格: 所有していることを表す。「〜の」に相当。
- 与格: 間接目的語などを表す。「〜に」に相当。
- 対格: 直接目的語などを表す。「〜を」に相当。
móder(母) を例にしてみてみると、
- 主格: Säw móder ietð änn apbel. —— 母はリンゴを食べる。
- 属格: Ðis iss säw orlözķ ðiar meder. —— これは母の腕時計だ。
- 与格: Sä fader jaav ðiar meder änn bóck. —— 父は母に本をあげた。
- 対格: Ðat mejden ðankð ða móder. —— 娘は母に感謝する。
のようになる。säw, ðiar, ða は定冠詞で、格に応じて変化している。